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2019年センター国語の古文で百合の話が!性転換やケモ要素も!

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センター国語

今年もセンター試験の国語で出題された問題に関心が集まっています。その中でも今年は古文で出題された、「玉水物語」が大きく注目されています。

なぜ注目されているのか、玉水物語のあらすじとともにご紹介します。

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センター国語で百合?性転換?ケモ?

「玉水物語(たまみずものがたり)」は作者不詳で、室町時代に書かれたとされる、御伽草子です。

ものすごく簡単にあらすじを述べれば、姫君に恋した狐(オス)が女の子の生まれない家に(メス)として化けて住み、姫君へとお近づきになろうとしたが、最終的には姫君に正体がバレるのをつらく思い、狐は姿を消してしまう、というお話です。

「性転換」や「百合」、「ケモ」などのワードが飛び交うのは、オスである狐がメスに化けたり、姫君と女の子同士で恋をするからでしょう。

今までのセンター国語(特に現代文)もそうでしたが、時代を強く反映した出題となっています! 特にけものフレンズ等で話題になった「ケモ」や「百合」要素などは出題者が狙ってやっているとしか思えません……

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「玉水物語」の出題

以下は2019年センター試験で実際に出題された、玉水物語の抜粋です(漢字などは違う箇所あり)。

折節此の花園に狐一つ侍りしが、姫君を見奉り、あな美しの御姿や、せめて時々もかゝる御有様を、他所ながらにても見奉らばやと思ひて、木陰に立ち隠れて、心落ち着かず思ひ奉りけるこそ浅ましけれ。姫君帰らせ給ひぬれば、狐もかくてあるべき事ならずと思ひて、我が塚へぞ帰りける。

この狐、つくづくと座禅して身の有様を観ずるに、我、前の世如何なる罪の報いにて、かゝる獣と生れけん、美しき人を見染め奉りて、及ばぬ戀路に身をやつし、徒らに消え失せなんこそ怨めしけれと打ち案じ、さめざめと打ち泣きて伏し思ひける程に、よき男に化けて此の姫君に逢ひ奉らばやと思ひけるが、又打ち返し思ふ様、我、男と成りて姫君に逢ひ奉らば、必ず姫が一生無駄に成り給ひぬべし、父母の御欺きと云ひ世に類なき御有様なるを、徒らに為し奉らんこと御痛はしく、とやかくやと思ひ乱れて、明し暮しけるほどに、餌食をも服せねば、身も疲れてぞ臥し暮しける。もしや見奉ると、かの花園によろぼひ出づれば人に見られ、或は礫を負ひ、或は神頭(鏃の一つ)を射掛けられ、いとゞ心を焦しけるこそ哀れなれ。

中々に露霜とも消えやらぬ命、物憂く思ひけるが、如何にして御側近く参りて、朝夕見奉り心を慰めばやと思ひめぐらして、或在家のもとに男ばかり数多くありて、女子を持たで、多き子供の中に一人は女であらしかばと、朝夕歎くのを当てにして年十四五の容姿鮮やかなる女に化けて、かの家に行き、「我は西の京の辺に在りし者なり、無縁の身となり頼む方なき儘に、足に任せてこれまで迷ひ出でぬれど、行くべき方も覚えねば頼み奉らん」と云ふ。主の女房打ち見て、「痛はしや、たゞ人ならぬ御姿にて、如何にしてこれまで迷ひ出でけん、同じくは我を親と思ひ給へ、男は数多く候へども女子を持たねば朝夕ほしきに」と云ふ。「左様の事こそ嬉しけれ、いずこを指して行くべき方も侍らず」と云へば、斜ならず喜びていとほしみ家に置き奉る。如何にしてさも有らん人に見せ奉らばやと営みける。

されど此の娘少しも打ち解くる気色も無く、折々は打ち泣きなどし給ふ故、「もし見初めし君など候はゞ、我に隠さず語り給へ」と慰めければ、ゆめ左様の事は侍らず、悲しみ多き我が身のあさましく覚えて、かく鬱結したる有様なれば、人に見ゆる事などは思ひも寄らず、唯美しからん姫君などの御側に侍りて、「御宮仕へ申し度く侍るなり」と云へば、「よき所へ有り付き奉らばや」とこそ常に申せども、「さも思し召さば、ともかくも御心には違ひ候まじ。高柳殿の姫君こそ優にやさしくおはしませば、妾が妹、この御所に御秘蔵にて候へば、聞きてこそ申さめ、何事も心易く思ぼされん事は語り給へ、きつと聞いて奉らん」と云へば嬉しと思ひたり。

かく語らふ所に、彼の妹来りければ、此の由を語れば、其の様をこそ申さめとて、立ち帰り御乳母に伺へば、「さらば今すぐ参らせよ」と宣ふ。悦びて引き装ひ参りぬ。見様容貌美しかりければ、姫君も悦ばせ給ひて、名をば玉水の前と付け給ふ。なにかにつけても優にやさしき風情して、姫君の御遊び、御側に朝夕馴れ仕へまつり、御手水参らせ食膳参らせ、月さえと同じく御衣の下に臥し、立ち去る事なく候ひける。御庭に犬など参りければ、此の人顔の色違ひ、總身の毛が一つ立つになるやうにて、物も食ひ得ず、異様なる風情なれば、姫、御心苦しく思ぼされて、御所中に犬を置かせ給はず。余りに異様なる物怖ぢかな、姫君の御寵愛の程の御羨ましさよなど、傍らには嫉む人もあるべし。斯くて過ぎ行く程に、五月半ばの頃、殊更月も隈なき夜、姫君簾の際近く居ざらせ給ひて、打ち眺め給ひけるに、時鳥訪れて過ぎければ、

郭公雲居のよそに音をぞ鳴く

と仰せければ、玉水取り敢へず、

ふかき思ひのたぐひなるらむ

やがて、わが心の内と口の内で低く申しければ、何事にか有らん心の中こそゆかしけれ、戀とやらんか、又人に恨むる心などか、怪しくこそとて、

さみだれの程は雪ゐの郭公たが

おもひねの色をしるらむ

※「玉水物語」より抜粋

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「玉水物語」のあらすじは?

分かりやすいように、現代風に「玉水物語」のあらすじを書いてみます。決して現代語訳ではなく、大体のストーリであるところに注意。

昔、鳥羽のあたりに高柳の宰相という人がいました。宰相は子どもに恵まれなかったので、神仏にお願いをしたところ、姫君が生まれました。

姫君が14、5歳になったころ、姫君はとても美しく、和歌も上手でした。ある日、姫君は花園へ出かけ、花と遊んでいました。

しかし、花園のあたりは狐のすみかだったのです。狐は姫君を見つけると、こう言いました。

「姫君はなんて美しいんだ……。近くにいられなくてもいいから、お姿を見たい。」

この日は姫君が帰ってしまい、狐も仕方なく巣穴へと戻りました。

「なんでぼくは狐に生まれてしまったんだろう。人間に生まれていれば、姫君とお近づきになれたのに。」

「そうだ、素敵な男の人に化ければ姫君と会えるかもしれない。でも、姫君の身が危なくなったら困るしな……」

狐は悩みに悩み、食事もろくに取れません。姫君に会いたいと思い、もう一度花園へ行っても人間に石を投げられてしまう始末。

ここで狐は、女の子に恵まれず、男の子ばかり生まれてしまった家があることを知ります。狐は14,5歳(姫君と同じくらい)の綺麗な女の子に化けてその家に訪れます。

「私は訳あってひとりぼっちとなってしまいました。どうかこの家に住まわせてはもらえませんか。」

女の子(狐)はとても大事にされましたが、姫君のことを思うと悩んでしまいます。その様子を見て、その家の奥さんがこう言います。

「恋人のことを思っているの? 隠さないでいいのよ。」

狐は答えます。

「このような身ですから、恋人なんていません。人並みに結婚できるわけがないのです。けれど、もしよければ美しい姫のもとに置いて欲しいのです。」

「だったら、高柳の姫君のもとへ行くのが良いわ。私が頼んでおきます。」

狐は念願の姫君と会えることとなり、とても嬉しくなりました。

さて、狐は姫君のもとで仕えるようになり、姫君もかわいい女の子(狐)のことをとても気に入っていました。たまに犬が来ると、狐はとても怯えるので、姫君が犬を飼わないようにした程です。狐は「玉水」という名前もつけてもらい、つかず離れずでお仕えします。

しかし、あるとき養母(狐を拾ってくれた人)が病気になり、養母が、

「せめてもう一度だけ玉水(狐)に会いたい。」

というのを聞いたので、狐は養母の元へいくために休暇を取ります。どうも、病気はもののけの仕業のようです。養母は、

「なぜか分からないけど、あなたのことが気になって仕方ありません。」

と泣き、狐も涙を流します。

さて、残された姫君は狐がいないことを寂しく思い、手紙をよこします。

「お母さんの病気は心配だけど、玉水(狐)がいなくて寂しいわ。早く戻ってきてね。」

養母も狐が姫君から可愛がられていることを知り、とても喜びました。

狐も姫君にお手紙を送ります。

「姫君、お手紙をありがとうございます。あなたのことは一時も忘れたことはありませんが、母のことが心配で離れられません。少し良くなったら、帰りたいと思います。」

狐が養母のお世話をする日々を過ごしていると、もののけ(毛が一本もない狐)が現れます。

その狐は玉水の叔父でした。叔父は言います。

「その病人(養母)の父親は、私の子供たちをわけもなく殺してしまった。苦しみを思い知らせてやる。」

玉水は言います。

「叔父さんが怒るのは分かりますが、この人は私を養ってくれた大切な人なのです。どうか助けてください。その場の感情で人を殺すなんて、それは罪でありませんか。」

「確かにそうだな。その人を殺しても子供たちが戻ってくるわけではない。私は出家して山にこもることにするよ。子供たちをどうか弔ってくれ。」

実は、養母にとりついていたもののけは叔父だったのです。叔父がいなくなってことで、養母の体調は戻り、狐は姫君の元へ帰れることになります。

さて、姫君の入内(中宮・皇后となるべき人が正式に内裏に入ること)で家が忙しくなるころ、玉水には悩みができ、姫君も沈んだ様子を心配していました。

玉水は考えていました。

「ぼくは獣の身でありながら、化けて姫君にお仕えしたけど、正体がバレてしまったらどうなるのだろう。怖がられたらもう立ち直れない。いっそ、この忙しさに紛れて姿を消してしまおう。」

狐は今まで人間に化けていたことや、姫君への思いなど、これまでのすべてを書き留め、小さな箱に入れました。

狐はその箱を姫君に渡そうとします。

「私の身もいつまでも持つか分かりません。突然消えてしまうかもしれません。もし何かあった時のために、この箱を姫君に渡しておきます。その時が来たら、この箱を開けてください。」

「どうしてそんなことを言うの? まさか遠くに行くなんて言わないわよね?」

「万が一のことを考えてです。この箱はお月様にも見せてはいけませんよ。いつか姫君が世をお捨てになるときに、この箱を開けてください。」

姫君は泣きながらその箱を受け取りました。

その後、玉水は入内の忙しさに合わせて姿をくらましました。姫君や他のものも必死になって探しましたが、一向に見つかりません。みんなが悲しみました。

姫君は、帝がいない時を狙って、あの箱を開けてみました。

姫君は手紙に書かれたいたことにとても驚き、哀れに思いました。

「私のために人間に化けて、あのように仕えるとは、獣ながら哀れですね……」

姫君は玉水の心にうたれました。

※京都大学、『挿絵とあらすじで楽しむお伽草子 第1話 玉水物語』を参照した。

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まとめ

どうでしたか。「玉水物語」は狐と姫君の純粋な心が切なくなる、とても興味深い話だったと思います。

以上、2019年センター試験国語についての話題でした。

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