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学習塾が生徒に植え付ける学歴思考の影響

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成果主義の学習塾業界

「東大〇〇名合格!」、「早慶〇〇合格!」など、学習塾では合格者数をその塾が持つ力として発表している。保護者や生徒からすれば、この塾はこの中学・高校・大学に強いとはっきり分かるので、塾のブランド力を表すものとしては適切であると言える。

この「合格者数」を増加させるため、各塾は給与体系の多くに”成果主義”を取り入れている。各校舎に生徒数目標や合格者数目標が設定され、それらの目標が達成できれば大きな賞与が得られる、などの仕組みである。他塾に生徒を奪われないように、本社側からも合格者数増に向けて強い圧力がかかるので、現場の講師陣は強い意識をもって生徒を合格させにかかる。

そのような背景において、講師たちは報酬アップのため生徒集めに躍起になり、授業内でも受験を強く意識させる。そして、この「受験の意識のさせ方」が問題なのである。

高学歴=幸せ思考

生徒を合格に導くためには、生徒自身のモチベーションを上げることが重要となる。そこで講師側はどうにかして生徒のやる気を上げようと、こんな言葉をかける。

「君たちの将来の可能性を広げるために、難関校に合格しよう」

「良い大学に入らなければ、将来幸せになれないかもしれない」

「〇〇大学以下の偏差値だと、希望の職業に就くのは難しい」

これは塾講師として働く私が、実際に塾内で聞いた会話である。この言葉は、「合格数」という"成果"を求める塾講師として言ったものだろうが、私は一つ疑問を覚える。

"良い大学に行くことが幸せを掴むために必要"、このような考えが生徒たちの頭に刷り込まれてはいないだろうか。私はこの考えが間違っていると言いたい訳ではない。この学歴思考が、むしろ生徒の可能性を狭めてしまうのではないか、と主張したいのである。

安定思考に根付く高学歴崇拝

そもそも先のような発言を講師がしてしまう理由は、医者や弁護士、官僚などの学歴を要するものや、商社や大手企業に勤務する職業が高収入だからである。そして大概はこれらの職業は安定的であるため、長期間に渡って高収入かつ安定的な生活が保障される。

日本企業は長らく年功序列制度を取ってきたため、1つの企業に就職して長年働けば安定的な生活が保障される、という思考が国民の中に強く根付いている。さらにそうした思考から、一度レールから外れるとなかなか転職できない、社会に復帰できないという状況が生まれる。

こうした社会の中では、幸せになるために高学歴を勝ち取るという思考が発生するのも無理はない。塾講師という人間もこの社会に晒されて生きているため、高学歴=幸せという考えを迷いなく受け止め、それを普遍の真実であるかのように生徒に伝える。

こうして、新たな世代も高学歴を崇拝する信者となり、高学歴こそ至高と考えるのである。

生徒の可能性を狭めてはいけない

周りが高学歴の崇拝者である社会で、高学歴を目指すことは方向性として非常に正しい。だが、まだ何にも染まっていない生徒に学歴思考を押し付けることがあってはならない。

インターネットビジネス、SNSマーケティングが発達した現在では、高収入かつ安定的な職業に就くことが必ずしも幸せとは限らない。ネットやSNSを巧みに活かし、大学生である内に月収100万円を稼ぎ出すような者も存在する。

高学歴こそ至高、このような考えを刷り込まれた生徒の中には既に安定的思考が確固として存在するため、リスクの大きい起業をしようなどという考えは生まれない。少しでもリスクのある行動は控えたくなってしまうのが安定思考である。

先に出したネットビジネスや起業の例はリスクのある行動の内の一部分に過ぎないが、他にも安定的思考から来る高学歴主義を目指すあまり、回避しようとする行動は多くある。

すなわち、生徒に高学歴思考を押し付けることで生徒の数多の可能性を潰し、医者や弁護士、官僚や大企業に就職することが正義であるかのように思わせることが問題なのである。

もちろん、学習塾としては合格実績を出す必要があるため、生徒に難関校合格を意識させるような発言は仕方ない。そこで私は学習塾の講師に対し、難関校に合格することで幸せを得られる旨の指導ではなく、生徒自身に難関校に行きたい気持ちがあれば必ず合格しろ、という旨の指導を行って頂きたい。

生徒自身が自分の将来をよく考えた上で、高学歴が自分の未来に必要なのであればそれを勝ち取る。講師側が高学歴を推奨するのではなく、生徒自身の考えを尊重する指導が現代には合っていると思うのである。

この指導方法ならば、生徒の様々な可能性を潰してしまうこともなく、彼らの人間力も同時に鍛えることができ、将来的に有能な人材を輩出することに繋がる。周りや社会に影響されて意思もなく高学歴を目指し、結果として望まない企業に就職する人材や、安定的思考に感化されてリスクが取れない有能な人材など、これから日本に必要な人材をその人の思考や能力に合わせた領域に輩出することが出来る。

塾内での指導だけですぐに社会が変わることは無い。問題は日本の教育制度そのものであり、学習塾を変えただけでは何も変わらない。しかし、高学歴=幸せという思考を押し付けることは、将来有望な人材を失ってしまうことに繋がるのである。

それを防ぐ手段の一環として、学歴を特に意識させられる学習塾内で指導を変えていかなければならない。

 

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