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論述とは|優れた書き方を例文で実践

Keito Ochiai

大学を飛び級で卒業後、MBA(経営大学院)に進学して経営戦略と会計を学ぶ。現在は、データ分析を用いて企業との共同研究に従事。趣味は読書とSwitch、カラオケ。最近はアソビ大全のトイテニスを極めてます。

本稿では、論述についてお悩みの皆さんへ向けて、論述の極意をお伝えします。本稿はどちらかと言えば初心者向きであるものの、文章の骨格である「論述」について改善の方法を詳しく解説していますので、レポートや論文にもすぐに応用できる知識が詰まっているはずです。

本稿の筆者は、MBA(経営大学院)にて、論文やレポート等を大量に執筆しました。この過程で、論文やレポートの根本を形成する「論述」の力を身に着けることが出来たのです。本稿を通じて、みなさんが論述の実力を高めることが出来れば幸いです。

以下の記事では、本稿では整理しきれなかった文章作成のポイントをまとめています。ぜひブラウザで同時に開き、本稿を読み終えた後に読んでみてください。論理構成についての理解が深まると思います。

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【大学生向け】レポート・論述試験の書き方とは?|ポイントを解説!

2020/8/12  

文章力を上げるには、まず論理構成を意識することが重要です。構成が出来てから細かい部分を調整することで、骨組みがしっかりしている文章を書くことが出来ます。読みやすい文章を書くコツは冒頭で書きましたので、ぜひチェックをしてみて下さい。
また、レポートと論述試験の違いを理解することも大事です。レポートはじっくり取り組めるのに対し、論述試験には制限時間が存在します。それぞれの特性を理解したうえで、万全の対策を取って満点を狙いましょう。
ここまで読んでいただいた方は、既に相当な文章力を得ているはずです。あとは何度も練習を重ねることで文章が上手くなります。ぜひ頑張ってくださいね。

「論述」とはどんな意味か

読者の皆さんは、中学や高校の頃に「論説文」や「説明文」といった言葉を聞いたことがあるはずです。国語の授業で散々読んだものですね。論述という言葉を理解する上では、説明という言葉との対比を理解する必要があります。

論説文(=論述する文章)と説明文(=説明する文章)は全く異なる文章です。このことを国語辞典から明らかにしましょう。「論述」と「説明」の意味は以下の通りです。

論述:「意見や考えを筋道立てて述べること。また、その述べたもの。」
説明:「よくわかるように述べること。ときあかして教えること。」
(Weblio辞書より引用)

論述と説明の違いは理解できたでしょうか。論述文は、自分の意見や主張を論理的に展開していく文章のことです。結論部分には、筆者の1つあるいは複数の主張が来ることになります。それに対して説明文は、単純に物事の順序や方法を説明しているだけであり、文章中に筆者の主張などは介在しません。

すなわち、「論述文」とは、あなた自身の主張を明確に示し、それを論証していく形で書いていく文章のことです。論証の過程では信頼性が十分なデータを示しながら、ときには他人の論文等を引用し、あなたの主張を強めていく必要があります。それでは、論述文はどのように構成するのが望ましく、何を意識して書けば上手くいくのでしょうか?

優れた論述文に必要なものは3点ある

論述の完成度は、以下の式のように表すことが出来ます。

論述の完成度=全体の論理構成×内容の信頼性×形式の統一性(語調や言葉のセンス、文書の書式等)

全体の論理構成とは、各段落や各文ごとの論理的な繋がりのことです。全体としての主張がまとまっているか、そこに至るまでの過程が明確な論理に基づいて構成されているか、といった点でこの評価が行われます。

論理構成は、3つの要素の中でも最も重要なものと言えます。内容面がどれだけ優れていても、相手に自分の主張を伝えるためには、論理の流れを相手にハッキリ伝える必要があるからです。

内容の信頼性は、各文に記述された具体的な内容について、それが本当に正しいのかという点を指しています。極端に言えば、「それはあなたの勝手な思い込ではないのか?書いてある内容は信頼できるのか?」という、信頼性に関わることです。内容の信頼性が担保されないと、読者は記述に対して納得することが出来ません。

例えば、3歳の子が宇宙開発について語っていたとしても、その内容を心から信頼してプロジェクトに活かすことは出来ません。論述でもこれは同じで、相手に納得感を与えるような事実を与える必要があります。

形式面も重要なファクターです。形式面はデザイン性と言い換えてもよいかもしれません。例えば、美しいデザインのWebサイトと、なんだか要素がぐちゃぐちゃに配置されたWebサイトでは、どちらが見たくなるでしょうか。ほとんどの人は、美しくないWebサイトからはすぐに離脱してしまうと考えられます。

これと同じように、論述(レポートや論文、試験)においても、デザインが統一されていることは読者に安心感を与えるのです。そして、論述におけるデザインとは、言葉や語調、文書の書式が整っていることを指します。

本稿では、優れた論述に必要な以上の3点を「理論編」として詳しく解説し、最後に「実践編」として、筆者が大学1年生のときに書いたレポートを添削してみます。

理論編:論述の書き方

(1)論理構成を整える

①論述の基本は、論理を繋ぐこと

優れた論述に必要な1点目として、全体の論理構成を見ていきましょう。本稿で述べるような構成を守れば、文章の構成について注意されることは格段に減るはずです。逆に、レポートや論述試験を読む側からすると、論理構成がきちんとしていない論述は非常に読みづらいため、注意が必要です。

まず、純粋な「論述」の論理構成は、「結論→背景」になります。たったこれだけです。主張である結論を述べた上で、どうしてそう考えたかという理由を話せば、論述としてはOKです(相手が納得できる理由なら)。

重要なのは、自分と相手(特に、相手)が文章を読んだときに論理構成を理解できるか、ということです。以下の図1を見てください。

図1.論述の基本構成(論理構造)

この図を用いることで、頭の中のモヤモヤした部分を解決することが出来ます。この図は、結論と背景要因の対応関係を示しています。図では、著者がミカンを好む理由が2つあり、2つの理由を説明する要因がさらに2つずつ存在するという構成になっています。つまり、ミカンが好きな理由や背景を論理で繋いでいるのです。

この図を見ると、この人がミカンを好いている理由がとてもはっきり分かりますね。論述で目指すべきは、文章を読んだ相手の頭の中にこの図をイメージさせることです。結論と背景の対応関係がクリアになることで、読者はあなたの主張をより深く理解することが出来ます。

もちろん、書き手であるあなたは、この図を最初からイメージしながら書くことが必要になります。経済指標や財務データを活用し、信頼性の高い論理を構築してください。

ちなみにこの図は、コンサルティング会社においてロジックツリーと呼ばれるフレームワークを基に作成しました。結論を要素分解することで、主張の構成を明確化することが狙いです。ただし、フレームワークを知っているだけでは意味がありません。これを何度も自分で使うことで徐々に実力を上げ、文章の論理を固めることが出来るのです。

②論理構成を導くためのヒント

望ましい論理構成は分かったものの、最初から図1のように明確な論理構成が書けるわけではありません。優れた論述を行うには、それ相応の訓練が必要です。しかし、本稿の読者のみなさんは、一刻も早く良い文章を書くために本稿をご覧になっているのだと思います。

そこで、本稿では明確な論理構成を導くためのヒントを提供します。そのヒントとは、「文章を書き始める前に図1を描いてみる」ことです。図1は、論理の繋がりをハッキリと表しており、これを最初に描いてしまえば、あとは論理の流れを文章に起こしていくだけの作業となります。書くことを最初に決めてしまうということですね。

図2.論述の流れ

最初の段階で書く内容を決めるには、事前の分析が重要になります。論述形式の試験ならば、試験内容で何が求められているのか、という点を徹底的に分析して図1のツリーを描くことが論述の近道です。レポートや論文といった時間のかけやすいものならば、分析を抜け漏れのない状態にしてから図1を描くことが重要です。

分析の際には、1つ1つの論理を感覚ではなく、データや信頼性のある文書から引き出すようにします。どこかの段階で感覚的な判断が生じると、その部分を起点として文章の論理構造が崩れてしまいます。このブレイクポイントは、主張の深くにあるほどその影響力が大きいため、主張の根本的な論理を築く際には、慎重な分析が必要になります。経済指標や財務データ等を上手く活用して、事実に基づいた論理を構築するようにしてください。

③各文における論理展開の仕方

さて、全体の論理構成の仕方をイメージできたでしょうか。ここからは、文や段落といったより細かい部分の書き方を見ていきましょう。

冒頭の結論ファーストだけは守る

レポートに限らず、論文やビジネス文書において最も重要なことは、「結論を最初に書く」ということです。例えば、本節では最も重要なことを、今ここで最初に書いています。冒頭部分は多少これを守っていないかもしれませんが、これは読者の関心をより引き付けるためです。論述文と本稿のようなメディア記事では、望ましい書き方が異なるということです。

なぜ結論ファーストを守る必要があるのか。それは、読者にあなたの主張を明確に伝えるためです。推理小説であれば、最初から犯人が分かってしまうと全く面白くないですね。しかし、あなたが何かを理解するために読んだ記事で、だらだらと長い説明をされて最後の最後に結論を示されると、それまでの内容なんてほとんど覚えていないと思います。すなわち、読者の理解度をUPさせるためには、結論を最初に述べてそれを証明していく、という過程が必要になります。

しかし、最初に結論を述べるのが難しいと感じる読者の方も大勢いるでしょう。その場合、根本的な原因は文章能力ではなく分析能力にあります。書くべき内容が定まらなければ、文章が書けないのは当然です。このケースに該当する場合は、自分が扱う内容への理解を深めるべきです。つまり、文章の上手さは二の次なのです。

結論ファーストは冒頭だけではない

結論ファーストは基本事項ですので、ご存知の方が多かったかもしれません。以上のように、冒頭で最も重要な主張を述べることが重要になります。

しかし、本当の意味での結論ファーストは、案外知られていません。日経新聞や東洋経済といった著名なビジネス雑誌のライター、経営者やコンサルタントなどの頭の良い人、他にも文章力に優れた人はたくさんいるものの、冒頭の結論ファーストから一歩進んだ文章が書ける人はなかなか見つかりません。

筆者がここで言いたいのは、「冒頭だけではなく、各段落の最初でも結論ファーストを徹底せよ」ということです。冒頭の結論(主張)と同じように、段落の最初に段落の主張を書くことで、読み手が段落の内容を把握しやすくなるのです。

この発想がなかった人は、おそらく、段落をなんとなくで作っているのでしょう。本来、段落は1つのまとまった意味を提供するために分けられます。すなわち、各段落には小さな結論が存在しており、その結論を導くための説明を行うのが、その段落における各文の役割です。

したがって、文章を書く際の意識としては、小さい結論を積み重ねていくイメージが重要になります。今までなんとなくで段落を区切っていた人は、意味のまとまりが区切れたと思った部分で、段落を区切るようにしましょう。その際、段落の冒頭でその段落の結論を述べてください。各段落の行数は5~6行前後が望ましく、それ以上に長いと読者にとって読みづらい文章になってしまいます。

段落がどうしても長くなってしまう場合には、おそらく段落内に2つ以上の主張が混在しています。最初は段落が短くなってもいいので、出来るだけ主張の句切れ目を作るようにします。

文の前後を繋ぐ意識が必要である

相手に論理展開を伝える場合には、接続詞を上手く使うことがカギになります。代表的なものは「しかし」「したがって」「つまり」等です。

使いこなせる接続詞が多ければ多いほど、文章の細かなニュアンスを表現することが出来ます。しかし、少ない語彙でも論理を構成することは可能です。使い慣れない接続詞をやたらと用いるよりは、使い慣れた少数の接続詞を正しく運用することの方が重要です。なぜなら、論述文の目的は相手に自分の主張を伝えることだからです。細かなニュアンスよりも、主張の明確さを重視しましょう。

接続詞を正しく用いることの出来る人は、年代に関わらず多くはありません。学生はもちろん、立派な社会人が書いた文章でも、文法的な間違いや論理的な繋がりの悪さがみられます。

重要なのは、段落や文を「繋ぐ」意識があるかどうかです。何を言いたいのかが伝わらない文章のほとんどは、文の前後が論理的に繋がっていません。その原因は、接続詞あるいは接続の言葉を正しく用いていないことです。接続詞がないと文同士の繋がりが見えないため、全体として何を言っているのかが分からないのです。

接続詞を使いこなすヒントは、自分が喋るように文章を書くことです。普段人と話すときには、「それで~だったんだよねー」「でもね…」「そこでびっくりしたのが…」という風に、無意識のうちに接続の言葉を入れていると思います。論述でも同じように、自分の主張を喋るように伝えることを意識すれば、自然と適切な接続詞を使えるはずです。

(2)内容の信頼性

全体の論理が正しく構成されていたとしても、記述自体の信頼性が低ければ、その部分の論理は崩れてしまいます。

これを防ぐには、一定水準の信頼性を兼ね備えた根拠が必要になります。この根拠に該当するのは、公的機関が発表する統計や経済指標、その分野で権威性のある人物が発行した書籍や論文、あるいは信頼度の高い企業によるレポートなどです。

これらはすべて、適切な調査方法によって論理的に導かれた結果であるからこそ、論述の根拠として用いることが出来ます。なぜなら、論述文は論理を繋いで主張を導く文章だからです。これに対し、Web上で誰かが勝手に発言したものを引用してしまうと、論述の信頼性が薄くなってしまいます。

代表的な公的機関としては、国全体の経済指標に関わるものなら内閣府、金融経済に関する情報を得たいのなら日本銀行、それ以外のあらゆる統計について調べたい場合は総務省統計局などが候補として挙げられます。諸外国の統計を用いる場合は、IMF(国際通貨基金)などのデータが有力な候補になるでしょう。他にも公的機関は様々に存在していますので、用途に合わせて機関を探してください。

多くのWebサイトはこれらの公的機関から引用を行っているものの、記事の作成者が正しく引用を行えているとは限りません。統計の専門家でもない限り、データの加工は案外難しいものです。適切な加工が施されていない場合は往々にして存在します。読者の皆さんは、こういった不適切なデータを用いないように注意を払う必要があります。

そのため、何かのデータを引用あるいは加工する場合には、必ず公的機関から元データを参照するようにしましょう。データを用いた場合には必ずその出所(出典)を示し、加工を行った場合には加工の手順を明記します。

初心者は特に、出所を明記することを心がけてください。無断で引用を行うと、それは「剽窃」という禁止事項(著作権の侵害)に該当してしまい、レポートや論文が却下されてしまいます。剽窃の考え方は、あらゆる作品に付随する著作権と同じです。引用を行う際には、適切な方法で引用を行いましょう。引用の方法も、信頼性に繋がる重要な要素です。

(3)形式の統一

論述においては、論理構成や内容面と同じくらい大切なのが形式面です。

端的かつ具体的な表現

論述では、自分の主張を簡潔にかつ明快に記述します。感想文や小説では、あえて書式を崩すことで、文章にオリジナル性が生まれて読者を楽しませることが出来ます。しかし、論述文とは、自分の主張を論理的に展開する文章です。遠回しな表現は避け、端的かつ具体的に記述を行う必要があります。慣れてくると抽象的な表現も上手く使えるようになるものの、初心者のうちは平易な言葉で直接的に記述を行う方が望ましいです。

語尾の統一

語尾は「だ・である」調に揃えます。しかし、「だ」はあまり用いない方が良いかもしれません。

実は、「だ」と「である」は別の文体に分けられます。感覚的には、「だ」の方が断定的であり、著者による強調のニュアンスが強くなるといったところでしょうか。「だ」と「である」はどちらが良いというものではなく、文章を載せる媒体によって使い分けるのが望ましいです。

論文では、「~だ」という表現はできる限り使わずに、「~である、~ある、~した」という語尾を用います。逆に、「~だ」という語尾は新聞や雑誌等にはよく用いられています。主張の側面が強くなる雑誌では、「~だ」の方が好ましいのでしょう。論文で「~だ」を用いる場合は、文章中で特に強調したい部分に限られます。

脚注や出所の示し方

文章中で他人による著作物(公的機関によるデータ等を含む)を引用する場合には、必ず著作者に関する出所を示して引用を行う必要があります。書籍や論文、Web上の文書から引用する場合、通常は文章の最後に「参考文献」として引用した文献のリストを載せます。

読者が参考文献リストを見に行く手間を考えた場合は、文章中の該当箇所に印(*1 のようなもの)をつけ、「脚注」としてそのページの下部に出所やデータの定義等を記述します。

細かい表現技法

理論編の最後として、文章中の細かい表現技法の中で重要なものをピックアップします。

一番気を付けてほしいのは、「が」をあまり使わないことです。「が」は本来逆接(=but)の意味として用いるのが適切であるものの、社会一般では順接(=and)の意味としての「が」も非常によく用いられています。日経新聞等をみると、順接の「が」を何度も見ることが出来るでしょう。

具体例としては、「今回はこのデータを用いたが、次回は別のデータを用いたい」のような「が」がこれに該当します。別の表現としては、「~ものの」という表現が存在します。順接の「が」はなるべく避けるようにして、「~ものの」を使うとより明快な表現となります。

「そして」や「また」、「それから」といった、繋ぎの言葉を多用しないことも重要です。これらの言葉は、論理的な繋がりを示すのに必要ではありません。極端に言えば、これらの言葉を用いているうちは、自分の中で文章同士の論理的な繋がりが定まっていないために、"テキトー"に接続詞を用いて無理やり文章を繋いでいるのです。

先述した通り、繋ぎの言葉として用いるのは「しかし」や「したがって」といった接続詞であり、順接の意味を表す繋ぎの言葉を多用するのは望ましくありません。

主語や述語の関係にも注目しましょう。「象は鼻が長い」という文章を見てどう思いますか?どうも思わなかった人は、日本語の文法が頭に入っていない可能性がありますので、主語と述語の関係に注意してください。正しくは、「象の鼻は長い」ですよね。最初の文では、「象」が「鼻」にかかっていません。このような文は象鼻文と呼ばれており、一般社会では当たり前に使われている誤用です。主語や述語、それに加えて能動態や受動態の意識を持つことが重要です。

ここまでの内容に関して、さらに細かい内容を以下の記事で解説しています。ぜひご覧ください。

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また、レポートと論述試験の違いを理解することも大事です。レポートはじっくり取り組めるのに対し、論述試験には制限時間が存在します。それぞれの特性を理解したうえで、万全の対策を取って満点を狙いましょう。
ここまで読んでいただいた方は、既に相当な文章力を得ているはずです。あとは何度も練習を重ねることで文章が上手くなります。ぜひ頑張ってくださいね。

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実践編:例文を添削してみよう

ここまでの理論パートを読んでいただき、ありがとうございました。ここからは実践力を養うため、あまり良くない例を添削してみましょう。

自分の文章を見ていると悪い部分が見えづらいと共に、悪い部分から目を逸らしたくなってしまいます。ここで他人の文章を手厳しく添削することで、自分の文章の悪い部分が初めて見えてくるのです。実際の論述試験等に活かすために、ぜひ添削を実践してみてください。

ここでは、著者が大学1年生の頃に書いた以下の文章(一部抜粋)を見て、どこで悪い部分を分析してみましょう。あくまでも論述の話をするので、内容の是非に関しては気にしないでください。

「インフレ目標政策の現状と課題」(原文)

第4次安倍内閣が成立した時点で、安倍首相は、「人づくり革命」と「生産性革命」を車の両輪にして政策を行っていくと述べた。安倍政権ではこのような看板政策を打ち出して大きな注目を集めてきたが、果たして今までの政策の効果はどれ程のものだったのか。アベノミクスが新たなフェーズに入ったこの時期に、改めて今までの政策を評価し、今後の経済政策に対する提言をしたい。

まず、これまでの政策を述べる。日銀は2013年4月に量的質的金融緩和を導入し、2年で2%のインフレ目標を達成すると述べた。この2%のインフレ目標は現在も達成できていない。また、日銀は2016年1月にマイナス金利付き量的質的金融緩和を導入した。2017年9月21日の金融政策決定会合では、政策の現状維持が採択され、短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導し、2%のインフレ目標を目指し続ける方針だ。

次に、これらの政策について評価をする。現状のインフレ率の伸びを見ると、2%の目標達成は難しいと言わざるを得ない。確かに、非伝統的な金融政策によって一時的な経済成長効果はあったのかもしれないが、この政策は、日銀が2%のインフレ目標を達成する、という人々の期待によって成り立っている。よって、異次元緩和政策は短期的には効果があったものの、目標を達成できていない現状を踏まえると持続的な成長は見込めない。むしろ、政策の現状維持を採択した今、持久戦になるにつれて状況は悪くなるだろう。

以上の分析から、現在の金融政策に対し、「日銀の金融政策に対する大規模な広報活動」を提言する。

(著者が大学1年生の時に執筆した文章より一部抜粋)

さて、結論ファーストが出来ていない部分が分かりましたか?著者は自分で書いたこの文章を改めて読んでみて、「何を言っているかよく分からない~~」という印象でした笑

この文章で結論ファーストが行われていない段落は、最後の結論を除くと、すべてです。ここまで読んでいただいた方は分かると思いますが、まず最初の「第4次~」の段落では特に結論ファーストが重要でしたよね。この文章でいえば、最後の結論に当たる「日銀の金融政策に対する大規模な広報活動」を取り入れる必要があります。

さらに、続く第2段落と第3段落でも、始まりは「まず、これまでの政策を述べる」や、「次に、これらの政策について評価する」といった文章が段落の冒頭に来ています。しかしこれでは、この段落で何を言いたいかが分かりづらくなります。言い換えれば、読者の頭の中には先ほど示した文章構成のイメージが浮かばないのです。こうなると、読者はこの段落をじっくり読む必要があり、段落ごとに結論だけを飛ばし読みしていくような読み方が出来ません。

そこで、全体の文章を結論ファーストに書き換え、文章の構成を図1(上述)のように変えたのが以下の文章になります。文章の構成上、文や段落を多少変更している箇所もあります。ぜひ違いを比べてみてください。

「インフレ目標政策の現状と課題」(修正後)

本稿では、「日銀の金融政策に対する大規模な広報活動」を提言する。現状、目標であるインフレ率2%の達成は難しい状況である。しかし、広報活動を行うことで、この目標を達成できる可能性がある。インフレ目標政策は人々の期待によって成り立っているため、広報活動を通じて人々の期待を引き上げることが出来れば、インフレ率を上昇させられるのである。

インフレ目標政策の現状を捉えるために各政策を振り返ると、悲惨な現状にも関わらず、日銀はインフレ目標を掲げ続けてきた。そもそも日銀は、2013年4月に量的質的金融緩和を導入し、2年で2%のインフレ目標を達成すると述べた。2016年1月には、金利がマイナス域に達するマイナス金利付き量的質的金融緩和を導入した。名目金利を下げることで需要を刺激し、インフレ率の上昇に繋げようという方針である。しかし、この目標がなかなか達成されない中、2017年9月21日の金融政策決定会合では、政策の現状維持が採択された。日銀は短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導し、2%のインフレ目標を目指し続ける。

しかし、このような現実感のない政策では、インフレ目標を達成することは難しい。この政策は、「日銀は2%のインフレ目標を達成する」という人々の期待によって成り立っているものの、現状では持続的なインフレ率の上昇はもはや期待されていない。したがって、政策の現状維持を採択した今、持久戦になるにつれて状況は悪くなるだろう。

そこで、人々に対して安心感を与えるために、インパクト性のある広報活動が必要なのである。人々の期待を上昇させることで、インフレ率の上昇を引き起こす作戦である。

以上の分析から、現在の金融政策に対し、「日銀の金融政策に対する大規模な広報活動」を提言する。

(著者が大学1年生の時に執筆した文章より一部抜粋)

どうでしょうか。原文に比べれば、著者はだいぶ読みやすくなった印象を受けます。

原文の修正に当たっては、各段落の冒頭における結論ファーストを意識してみました。こうすることで、段落を読み始めた時点で内容が頭に入るので、その後の論証も理解されやすくなります。また、原文では文同士あるいは段落同士の繋がりが悪かったので、接続語を加えてみました。

文同士の関係が明確になることで、読み手は文章をスイスイ読むことが出来ます。結論部分の考察に不要な「第4次~」の段落は、大幅カットしてみました。不要な部分のカットも、理解されやすい文章を書くために必要なことです。

もう一点意識したことは、接続詞を上手く使って論理展開を明確にすることです。原文では前後の文の繋がりが見えなかったために、各段落における主張がよく分からないものになっていました。そこで、繋ぎの言葉が必要と思われる個所に適切な接続詞を配置した結果、以前よりもグッと文章が読みやすくなったと感じられるはずです。

まとめ

論述には、正しい書き方や形式があることが理解して頂けたでしょうか。本稿が扱った内容は、社会人でも身につけられていない文章技術を多く含んでいます。「が」や「また」、「そして」といった曖昧な言葉を使わないことはもちろん、結論ファーストや全体の論理構成といった表現方法をマスターし、ぜひ優れた論述を目指してください。

レポートや論述試験の細かい表現方法については、こちらの記事をご覧ください。

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【大学生向け】レポート・論述試験の書き方とは?|ポイントを解説!

2020/8/12  

文章力を上げるには、まず論理構成を意識することが重要です。構成が出来てから細かい部分を調整することで、骨組みがしっかりしている文章を書くことが出来ます。読みやすい文章を書くコツは冒頭で書きましたので、ぜひチェックをしてみて下さい。
また、レポートと論述試験の違いを理解することも大事です。レポートはじっくり取り組めるのに対し、論述試験には制限時間が存在します。それぞれの特性を理解したうえで、万全の対策を取って満点を狙いましょう。
ここまで読んでいただいた方は、既に相当な文章力を得ているはずです。あとは何度も練習を重ねることで文章が上手くなります。ぜひ頑張ってくださいね。

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