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現役大手塾講師が語る、塾講師の実際のレベルとは

Keito

データアナリスト / 経営学修士 趣味はプログラミング、Nintendo Switch、カラオケです。

Keito(@keito_dilige)です。本稿では、現役塾講師である私が、塾での経験をもとに塾講師の実際のレベルを解説していきます。今回は、レベルを「解答能力」と「指導力」に分けていきます。

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学歴は上から下まで存在する

まず気になるのは塾講師の学歴だと思いますが、学歴が関係あるのは「解答能力」の方であり、講師として重要な「指導力」には学歴は関係ありません。

その上で学歴の分布を推測してみると、大学中退が1%くらい、日東駒専レベルが3~4割、MARCHは少なめで1割くらい、早慶レベルが2割、地方国立レベルが2割、難関国立レベルが1割といったところです。

中ランク(MARCH) の大学は意外に少なく、上下がきっぱり分かれているイメージです。

また、大手塾では高学歴の講師ほどフリーターのような形で働いている人が多い印象です。個人塾では難関国立大学、早慶がほとんどといった所でしょうか。

解答レベルは全体的に低い

塾講師の解答レベルは生徒と同等かちょっと上くらいです。国語ならそもそも文章を正しく読めていない、数学なら問題の解き方が分からない、英語なら文章を読むスピードが遅いなど、生徒に教えるべき技術が身についていません。

また、講師自身がこういった基本の技術を会得していないため、生徒に教える内容が正しいものとは限りません。例えば英語なら、「ひたすら演習量をこなせば読むスピードが上がる」など、正しいとは言えない教育がなされています。

入試問題で8割も取れない

これは私が研修に行った時の一幕ですが、英語の授業研修で過去の難関高校入試問題を解く、というパートがありました。その際20人強くらいの講師がいたのですが、答え合わせの後で8割以上が取れたのは5・6人でした。

「高校入試の英語」で、「8割」が取れないのはどう考えても問題です。中学で習う英語しか出てきませんから、構文も単純ですし、単語だって簡単なもの、文法問題も講師なら出来て当たり前のものしかありません。

さらに、読むスピードが遅かったです。本番の想定時間20分の長文問題に対し、講師ということで15分の設定でテストを行いましたが、ほとんどの講師は明らかに制限時間ぎりぎりまで解いていました。

私を含め、満点を取った講師は10分程で解き終わっていましたが、研修で大きい態度をしていたベテランの講師たちは読むスピードも遅く、採点では×印ばかり見えました

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指導力は全体的に高め

私は大手塾で働いていることもあり、指導力は全体的に高めです。ここでいう指導力とは、「分かりやすい説明」、「正しい学習指導」、「授業運営」などを指します。

塾業界にはしっかりした指導マニュアルがあり、講師の指導力は一定に保たれています。マニュアルを抑えた上でオリジナル性を出せる講師は多いため、授業は自然と面白く、魅力的なものになります。

もともと説明をしたり説得するのは上手い人が多いですから、生徒としては分かりやすい説明で学校よりも勉強が捗るのは間違いありません。

しかし、指導力は新人とベテランで大きく差が開きます

新人とベテランのレベル差

「解答能力」と「指導力」の2面で見た場合、新人とベテランのレベルは次のように大別できます。

解答能力

  • 新人   ー 高い人が多い
  • ベテラン ー 低~中程度

指導力

  • 新人   - 低い
  • ベテラン ー 中~高程度

新人講師の解答レベルが高いのは、受験を終えたばかりだからです。受験生時代の勉強内容が頭に残っているため、解答能力は高いです。しかし、塾講師としての歴が浅い分、説明の仕方や授業運営は雑になりがちで、生徒にとって有益になるとは限りません。

ベテラン講師は経験豊富ですから指導力は高いです。生徒の弱みや強み、生活習慣に至るまで細かく把握でき、一人一人に合わせた指導が出来ます。

しかし、塾講師としての経験が長い分、ベテラン講師は勉強をしていない期間が長いです。ほとんどの講師は残念ながら入試の勉強をしないので、ベテランになるほど解答能力は落ちていきます。

さらに、自分の指導方法に自信があるため、最新の入試問題傾向や指導方法についていけないのもベテランの講師の特徴です。

大手塾と個人塾のレベル差

大手塾と個人塾を比べた場合、以下のような傾向があります。

解答能力

  • 大手塾 - 低~中程度
  • 個人塾 - 高い

指導力

  • 大手塾 - 中~高程度
  • 個人塾 - 基本高いが、オリジナル性が強い

大手塾では指導マニュアルの存在によって指導力が補われているため、どの講師でも指導力は一定に保たれています。しかし、アルバイト講師からフリーター、正社員と、講師自身のレベルは様々なため、解答能力にはバラツキがあります。

一方個人塾では、基本的に自分の教育理論に自信のある人が塾を経営するため、講師の解答能力は高いです。大手塾に対抗できる宣伝力を付けるため、学歴も比較的高く、講師自身のレベルはトップだと言えます。

しかし、大手塾のような指導マニュアルがないため、指導方法は講師に完全に依存します。このため授業はオリジナル性が高いものとなり、生徒によって合う合わないがはっきりします。生徒のニーズにハマれば成績向上は間違いないのがこちらです。

まとめ

塾講師のレベルは本人の力による所も大きいですが、新人やベテラン、大手塾や個人塾など、経験年数雇用形態経営体制によっても変化します。ここでご紹介したのはあくまで一般的なものですから、実際のレベルを確認するには校長との面談の際に詳しく聞いてみることが一番です。

大学生で講師のアルバイトをしようと思っている人や、お子様を塾に通わせたい保護者の方のご参考になれば幸いです。

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