キャリア

会社を辞めると、厳しい現実が待っている。

Keito

データアナリスト / 経営学修士 趣味はプログラミング、Nintendo Switch、カラオケです。

会社を辞めてフリーになってから1ヶ月ほど経ちました。

僕は主に株式のトレーディングを生業にしているのですが、職業柄、毎日がプレッシャーに溢れた日々です。会社員の頃に比べると、確実にメンタルを病むことが増えました。

そんな中、会社員を辞める前と後で変わったことがいくつかあります。それらは会社を辞める前に想像できたことではありますが、実際に自分の力で生きていく状況に身を置くと、また違った景色が見えてきました。

そこで本記事では、会社を辞める前と後で変わったことを整理して、フリーになることの現実をお伝えしたいと思います。会社を辞めてフリーランス・個人事業主に転向しようと考えている方に届いてくれると嬉しいです。

自力でお金を生み出し続けなければならない

ものすごく当たり前のことを書いていますが、これがシンプルに一番つらいです。

会社員の頃は、元気な日も元気じゃない日も、メンタルを病んでる日も、頑張った日でも、たいして頑張ってない日でも、サボった日でも、とにかく一定額の給料を受け取ることができます。しかし、会社員を辞めるとこの安定感に満ち溢れた給料という概念が消失するため、自分でお金を無限に生み出し続ける必要があります。お金を生み出せなくなった瞬間、それは文字通り生活が成り立たなくなることを意味しています。

会社員の頃は毎月お給料が自動的に入ってくるのでなかなか感じることができないのですが、フリーになった瞬間、「衣食住」を自分の力のみで確保するのは非常に難しいことだと気づきます。

実際には、会社員の頃に良い成績を収められていた人は、自力でお金を稼ぐことにそこまで苦労しないかもしれません。しかし、そういった場合でも、単にお金が稼げる・稼げないという簡単な話ではないのです。私がここで言いたいのは、「お金が稼げれば生活を維持できる」「お金が稼げなければ生きていけない」という、プレッシャーに押しつぶされそうな日々の話をしているのです。

すなわち、技術的にお金を稼ぎだすことが得意な人でも、それを無期限かつ安定的かつ十分なレベルで続けることには、とてつもないプレッシャーがかかるということです。一時的にある程度のお金を稼ぎだすことならば、誰にでも可能です。しかし、それを永遠に続けていくことは非常に難しいです。そして、フリーの状態ではその厳しい試練を乗り越えていかなければ、「衣食住」が確保されない状況にあります。

つまり、多くの人が会社員の頃に想像していた「個人事業主の自由な生活」というのは甘い幻想で、現実には非常に厳しい現実が待っています。

実際にこの現実に直面している僕から言わせてもらうと、お金を稼ぐことが超得意という人が以外は絶対に個人事業主にならない方が良いと思います。おそらく、1年もしないうちに会社員に戻るのがオチです。(もちろん僕もそうなる可能性大です)

誰も助けてくれない

これは、会社員の頃には全く感じることのない感覚だと思います。フリーになって最も苦しい瞬間が、自分以外誰も助けてくれないという現実です。

めちゃくちゃ当たり前のことを言っているので面白くないかもしれませんが、自分がミスった瞬間、生活が成り立たなくなります。終わりです。このプレッシャーは会社員の頃には絶対経験できない貴重な体験です。

まず、自分がやらかしたことは全て自分の責任です。会社員の良いところは、最悪自分は雲隠れして上司や会社のせいにできる所です。もちろん、自分が最終責任者の場合はそうでもないのですが、フリーの場合は常に自分が最終責任者であり、すべての責任を自分が負わなければなりません。

ですから、ミスは一切許されませんし、ミスしたらそこで試合終了くらいに考えていないと次の仕事は無くなります。次の仕事がなくなれば報酬は消えるので、生活費がどんどん減っていきます。僕のようなトレーダーの場合、トレードでミスすれば自分の運用資金がみるみる溶けていくので、本当に生活ができなくなります。

また、大きな病気や怪我によって入院することになった場合、会社員には安い保険がありますから、休職中でも一定の給与を得ることができます。また、有給や特別休暇などでは一定期間働かなくても自動的に給与が振り込まれますし、育休を取得すれば長期間休んでいる間にも給料を得ることが可能です。

当然ですが、フリーの場合には絶対にこのような状況は生まれません。自分が働かないと絶対にお金は生まれないので、病気でも怪我でも育児でも絶対に働く必要があります。そうしないと生活が成り立ちません。逆に言えば、働けなくなった瞬間に終わりです。誰も助けてくれません。ここは会社員の最たるメリットと言えるのではないでしょうか。

その他にも、会社員を辞めると(職種や人脈にもよるでしょうが)人と接する機会が圧倒的に減少します。会社員の頃はどんなに辛いことがあっても同期や先輩が慰めてくれますし、何か困ったことがあれば多少なら金銭的にも助けてくれると思います。しかし、フリーの場合は基本的に1人で仕事をするので、このように精神的にも物理的にも頼れる仲間がどんどん減っていきます。

などなど、羅列すればキリがないのですが、フリーの場合には誰も助けてくれないので、どんなに辛い状況でも一人で頑張らなければなりません。

新たなスキルが身につかない

次に、新たなスキルが身につかないという、厳しい現実があります。

例えば、プログラマーなら会社員として培ったプログラミングスキルやマネジメントスキルを用いて、派遣先の企業で短期間の増援として働きます。マーケターなら、顧客のプロダクトの販売促進に向けて、会社員の頃に培ったマーケティング技術を用いた販売戦略を立案したり、具体的なプロモーション内容を提案したりします。僕のようなトレーダーなら、今までに経験した相場観や分析技術をひたすら使って相場からお金を取るということになります。

これらに共通しているのは、新たなスキルを身につけるための時間や練習環境が全くないということです。少なくとも、業務中には自分が経験した技術を切り売りするだけなので、新しい知見を得る可能性は低いです。

会社員の頃には、新しい部署に異動したら先輩や上司が手取り足取りスキルを与えてくれるはずです。また、ある分野のスキルが身についたと判断されたら、それらを用いたプロジェクトマネジメントに移してくれるなど、会社は常にスキルを成長させる環境に置いてくれるはずです。

当たり前ですが、フリーの状態では誰も新たなスキルを教えてくれませんし、教えるだけの時間や資金的余裕も相手方は持ち合わせていません。あくまでもプロジェクトを完遂するための増援要員として呼ばれているだけなので、プロジェクトが無事終了すれば用済みとなり、すぐにサヨナラです。この辺りについて、クライアント側には温情など一切ありませんので、継続的な案件を引き受けられることはほとんど期待しない方が良いです。

さて、このようにフリーの状態では自分を成長させることは叶わないので、一生同じようなスキルを切り売りする生活が続きます。それに耐えられない人、つまり飽き性の人はフリーを辞めた方が良いですね。

個人事業主にはタイムリミットがある

さて、自力で食べていけなくなった場合、どうするのでしょうか。そうです、再就職(転職)するして固定報酬をもらうしかないですよね。

しかし、フリーの期間が長くなればなるほど、再就職は難しくなります。30歳を過ぎたあたりからは正直、どこも雇ってくれない可能性が高まってくるはずです。僕は新卒で就職後、1年もしないうちに辞めているのでまだ2、3年は耐えられるかもしれませんが、20代後半からは再就職がかなり厳しくなってくると思います。

当然、自分と同じ世代の人たちは会社で様々な経験を積んでいます。独立しようとする人達ですから、20代前半の頃は周りの同期や先輩よりも遥かに仕事ができるはずです。しかし、早い人では20代後半、30代にもなるとほとんどの人がマネジメント経験を持ち始めます。そうなると、早くに独立した人にはマネジメント経験がないので、一生プレイヤーとして生活を続けなければなりません。フリーランス向けのサイトではプロジェクトマネジメントなどの仕事も存在しますが、これらの仕事を受けることは難しくなります。

もちろん、30代や40代で独立した場合には上記の議論は当てはまりませんが、その場合でも年相応のスキルを求められます。前段で述べたように、フリーでは新たなスキルを得にくいので、年齢を重ねても自分が年相応のスキルを身につけているとは限りません。その意味で、同世代の成長を凌駕するようなスキルや自信がないと、フリーの状態を継続するのは難しいです。

つまり、再就職のタイムリミットが訪れる前に、自分で稼ぎ続けられるようになる必要があります。フリーで挑戦できる期間には限りがあるということです。そして、再就職が遅くなればなるほど、好条件の会社に就職することは難しくなります。就職するなら早いほど良く、逆に言えば個人事業主としての生活に見切りをつけるのが早いほど安定した生活を送れる確率が高まるということです。

その一方で、ある程度継続的に稼ぎを得られるようになってもタイムリミットは存在します。それは、自分のビジネスが立ち行かなくなった場合です。日々の生活は安定して送れるようになっても、それがいつ崩壊するかは分かりません。30代、40代になってからそれまでのビジネスが崩れ始めると悲惨です。もう就職できるだけの基盤は全くありませんから、それまでに稼いだ資金を使って別のビジネスに乗り換えてやっていくしかありません。

孤独ゆえに、コミュニケーションの重要性に気づく

さて、最後に、フリーは非常に孤独です。何をするにも一人になりがちです。

もちろん職種にはよるのですが、僕のようなトレーダー職だとPCに一日中張り付いているので、他人と話す機会が激減します。会社員は人と話すのがメインの職業だったので、その時と比べると会話量は100分の1くらいになったと思います。そうなると当然ですが、毎日ものすごく寂しいですし、弊害として会話がものすごく下手になります(笑)

また、会社員の頃は、休憩中や帰り際に同期や先輩から誘われて飲み会に行くことがよくあったのですが、それは完全に無くなりますので、飲み会や食事に行く機会が減ります。なので僕の場合は、頻繁に人を誘ってご飯を一緒に食べるようにしています。それが自分の精神安定上、かなり重要だということに気付きました。

会社員の頃はあまり意識していなかったのですが、人と話すということは人間生活を送る上でものすごく重要なことです。やっぱり人は話さないとダメになる生き物なんだと実感しました笑

そんな生活をしているので、基本的に自分からコミュニケーションを取りに行く事が増えました。今まで僕は人を食事に誘わないタイプだったのですが、会社を辞めてからは自分が誘ってばかりで友人にウザがられていないか不安になるレベルです。それだけ身体がコミュニケーションを欲しているという証拠だと思います。

また、そのような変化を通して気付いたことは、自分からコミュニケーションを取らないと人の縁は簡単に切れてしまうということです。社会人になると会社の人以外との関わりが極端に減りますよね。フリーなら尚更で、今までに築いた人間関係を維持することがものすごく重要になります。自分から定期的に会おうとしないと、相手からはなかなか誘ってくれません。自分から関係を維持しようとする努力がものすごく重要になります。

既存の人間関係を維持することの他にも、新しい出会いを積極的に増やすことが重要です。例えば、ゲーム友達でもいいですし、同じ職種のコミュニティに参加してみる、SNSで同じ趣味の人と繋がるなど、自ら出会いを増やしていかないと絶対に人間関係が狭まっていきます。

自分の人間関係は狭まる一方で、友人たちは会社内での異動等を通じて新たな関係を増やすので、段々と自分だけに構ってくれる時間は減っていきます。フリーの状態では自然的に人間関係は狭まっていきますので、自らコミュニティを広げようとする努力が必要ということです。

努力して初めて「当たり前」が手に入る

色々と書いてきましたが、会社員にとっての「当たり前」は個人事業主にとって当たり前ではありません。それらはすべて自ら努力して手に入れるものであり、何もしなければどんどん失われていきます。ここが会社員と個人事業主の最たる違いであり、会社を辞める前に覚悟しておかなければならないことです。

その一方で、個人事業主には会社員が絶対に手にできない自由な時間や働き方があります。会社で働いている以上、規定の労働時間や成果物は存在するので、それらに縛られない生活ができる点は個人事業主の強みです。

どちらを選択するのかは個人の自由ですが、会社員とフリーをどちらも経験した僕から言わせれば、会社員の方が1000倍くらい楽だと思います。これは全然冗談ではなく、普通の生活を普通に手に入れるには、会社員という生き方がベストだと思います。

それでも、自分は普通の生活ではない生き方をしてみたくなったのでフリーになったわけですが、本記事で書いたようなプレッシャーを日々味わう生活です。自分が想像していたように自由を謳歌できるステップにはまだ来ていないものの、これからの努力次第といったところでしょうか。

会社員を辞めようと考えている人にとって、本記事の内容が少しでも参考になれば幸いです。

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